セラピストとして読ませていただいても、参考になることが多い。第四章の「社会性」のところも、発達障害がこれだけ重要なテーマになっていながら、この松沢先生の功績に匹敵する研究は(九大の大神先生の糸島プロジェクトを除いて)ないように思う。それも統計学を使うのではなく、個の観察を緻密にすることで社会性発達のプロセスを読み取っている。日本で育てられているチンパンジーって数が多いわけじゃないし、不自然な年齢集団だから統計は使えない。仮説があり、検証があり、それらを意識しながら日々を過ごし、小さな気づきを積み上げていく。個別が普遍に至る研究って、こういうのを指すんだよなあ。臨床の事例研究も、ここまで心砕くのじゃないと、学問として恥だわ。
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